芋文庫

推し本

長生き

長生きなだけでもスゴイのに、90を過ぎてそれぞれの世界を確立していかれる方々。 94歳セツのちぎり絵日記 木村セツ(1929~ ) 90歳の時、夫の他界後、長女から勧められて新聞ちぎり絵を始めたセツさん。 朝起きて、ちょっと化粧して仏壇を拝み、ちぎり絵…

土地

人それぞれ、生まれ、育った土地があります。 その土地との深い関わり。 土と日本人 山下惣一(1936~2022) 昭和11年、佐賀県唐津市の農家に長男として生まれ、生涯農業を続けた山下惣一。 昭和59年、彼は自身の作った米の異常に気づきます。 戦後、国の農業…

フランス

近代フランス史のこぼれ話、南仏に移住したイギリス人、ちょっと変わった小説。 馬車が買いたい! 鹿島茂(1949~ ) 近代フランスの歴史をいつもおもしろく読ませてくれる、フランス文学者、鹿島茂。 この本は彼の処女作。 19世紀のフランス文学。バルザック…

語学

語学の習得の方法は人それぞれ。 目的もその言語での自らの表現活動、現地の人々とのコミュニケーションのためなどいろいろです。一方で、外国の思い出の品にその国の言葉を見るだけで嬉しかったり。 千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、ルーマニア語…

体験

どんなに情報を集めるよりも、実際にやってみる方が理解が早い。体験談を聞くのは面白いし、説得力があります。 大江戸生活体験事情 石川英輔(1933~ ) 田中優子(1952~ ) 江戸文化の研究者である2人が実際に江戸時代の暮らしのいくつかを体験。 江戸時代の…

挿絵

挿絵がいいな、と思った3冊。 気がついたらどれも日本のじゃありませんでした。 ぼくの伯父さん ジャン=クロード・カリエール(1928~2021) 1958年に製作された、ジャック・タチ監督のフランス映画"ぼくの伯父さん"の小説版です。 著者はタチの弟子、ジャン=…

懐かしい暮らし

"なつかしい"という感覚がどうしてこんなに心地いいのか?そんなことを考えた3冊です。 明治博多往来図絵 祝部至善(1882~1974) 明治時代の福岡、博多に生れ育った祝部至善。若い頃、絵を学んでいた彼は、70歳を過ぎてから、明治の博多の風俗画を書き始めま…

椅子

椅子好きです。 お店で、美術館で、その他いろんな所で、"あの椅子いいなぁ"と思うと出来れば触って、座ってみたい! 美しい椅子 全5巻 島崎信(1956~ ) "名作椅子"と呼ばれる椅子があります。1940~1960年頃に作られた北欧のものが多いのですが、著名なデザ…

生き方

当然の事ながら、人の数だけ生き方があり、才能やその人の生きた場所、時代にも影響されて、それぞれの人生は形づくられます。 THE SAPEUR 茶野邦雄(1959~ ) 世界最貧民国のひとつ、コンゴ共和国。 そこに、高級ブランドに身を包み、街を闊歩する人々がいる…

研究者

大学などはもちろん、フリーの立場でも、様々なものを研究している方がいらっしゃいます。 その研究対象に対する気持ちや調査方法は、それぞれ独自のものがあるようです。 チョンキンマンションのボスは知っている 小川さやか(1978~ ) 文化人類学が専門の小…

生きもの

私たちはもちろん生きものですが、廻りにも植物から昆虫、動物、様々な生きものがいます。 そんな生きものたちと深く、浅くかかわりあいながら、私たちは暮らしています。 小さな生きものたちの不思議なくらし 甲斐信枝(1930~ ) 作者は、絵本作家の甲斐伸枝…

編集者

編集の仕事を経て自分で本を作るようになった人は、視野が広く、興味のある事には独自の視点で切り込んでいく、面白い作家が多いように思います。 圏外編集者 都築響一(1956~ ) 出版界に入ってからも独学で仕事を続けてきたフリーの編集者、都築響一。 なぜ…

京都

若い頃は、なんか苦手でした京都。 でもここ10年で、いくつかのおもしろい事に出合って、今は京都を楽しんでいます。 京都ぎらい 井上章一(1955~ ) "京都ぎらい"とおっしゃる井上章一は、京都府出身。 けれど京都洛中の人にとって彼の生まれ育った京都市右…

仕事

世の中には様々な仕事があります。 個人の才覚はもちろんですが、その時代によっても大きく影響をうける仕事。 労働であると同時に、その人の生き方でもあると思います。 銀座界隈ドキドキの日々 和田誠(1936~2019) イラストレーターの和田誠が大学卒業後就…

日々の食卓

毎日の食事を、季節の食材で楽しんだり、時には手間をかけたり。 いろんな場所の様々な料理があることでしょう。 おばあちゃんの台所修行 阿部なを(1911~1996) 昭和50年代、テレビの料理番組でのキリッとした着物姿が忘れられない料理研究家、阿部なを。 タ…

古い映画

親の影響もありますが、古い映画が好きです。 特にそれが”作られた時代”が細かく見られるものが面白いです。 映画の昭和雑貨店 川本三郎(1944~ ) 昭和20,30年代は、日本映画の黄金時代。その中から、当時の日本の暮らしぶりに焦点をあてて、テーマ別に取り…

東京

首都、東京。文化的にも歴史的にもギュッと詰まったものがあります。 アースダイバー 中沢新一(1950~ ) 東京の地形は、縄文期からの洪積層(乾いた土地)と沖積層(湿った土地)の複雑な交代で成り立っている。 そのことが、街の形成にどう影響してきたのか。…

名作文学

正直、ほとんど読んでいません。”名作”だから読まなきゃ、とは思わないけど、気にはなります。しかし、名作文学は限りなく・・・ そこで、好きな書評家の意見を参考にします。 読まず嫌い 千野帽子(1965~ ) タイトルに惹かれて読んだ本。 文芸評論家、千…

日本を見る眼

海外から日本にやって来て、日本を好きになった人たち。 彼らの眼には、日本はどう映っているのか? ”日本を見る眼”はある出版社が使っていたのをパクりました。 日本その日その日 エドワード・S・モース(1838~1925) 初来日からわずかの間に大森貝塚を発…

本を作る

私などは、いつも気楽に本を読んで楽しんでいるのですが、今の時代、”本を作る側”は、いろんな意味で大変そうです。 それでも、”自分たちの本を作りたい”という熱意を持った方々のおかげで、いい本に出合えていると思います。 文房具図鑑 山本健太郎 2016年…

手仕事

”手作り”が商品の付加価値となってしまった現在。 趣味や家事、仕事であっても、”手作業”を楽しめたら、と思います。 手仕事礼賛 林ことみ 編み物作家の林ことみ。その作品は色使いがとてもステキ! 子供の頃から手作業の好きな彼女が、その時々の生活の中で…

イタリア

その歴史の深さ、風土の豊かさ、デザインのカッコよさ、食のすばらしさ、そして情熱的な人々(イメージではありますが・・・) 本を通じて、自分の生活にも、ちょこっとイタリア、持てればと思います。 イタリアの街角から 陣内秀信(1947~ ) 大学の研究室…

記録された歴史

私たちは今、現在に生きていますが、それは積み重ねられた歴史の上に成り立っています。文章や写真などに記録された”歴史”から、その当時を想像しています。モースの見た日本 モースコレクション・日本民具編 エドワード・S・モース(1838~1925)大森貝塚の…

歌謡曲

戦後の昭和を過ごした人には、それぞれの思いでと共に、その時流れていた歌謡曲があるのではないでしょうか。 筒美京平 大ヒットメーカーの秘密 近田春夫(1951~ ) 昭和を過ごした人なら誰でも、いくつかは知っている筒美京平の曲。私は子供の頃聞いた”さ…

猫との関わり方は人それぞれ。 今回の3冊を通じて、猫って風景の一部になってたんだな、と思いました。 ドクター・ヘリオットの猫物語 ジェイムズ・ヘリオット(1916~1995) イギリス、ヨークシャー地方で、獣医として働きながら作品を書いたジェイムズ・…

建築

”建築”というと、一般住宅から超高層ビルまで、いろいろですが、私たちの暮らしには欠かせない、衣食住の大切な部分でもあります。 ちょっとしたガイド本があれば、著名な建築家の作品も、古くから残る寺社も、その構造や歴史を楽しむことができます。 藤森…

伝説の人

私が”伝説の人”だと思う二人の人物。彼らは慶応3年(1867年)、同じ年に生れています。明治という、かなり乱暴に西洋近代化を推し進めた時代に彼らは育ちました。 二人とも行動、能力、その思考が日本人離れしているので、いろいろな伝説が生まれているようで…

野鳥

どこからか美しい囀りが聞こえる、目の前をきれいな鳥が横切る。誰?君の名は?それが私のバードウォッチングの始まりでした。 見つけた鳥の名前を調べ、生態がわかると、今まで気がつかなかった鳥たちにも目が行くようになります。 街中でも、街路樹に川に…

江戸

江戸とは、江戸時代における現在の東京。約200年にわたる鎖国政策によって独自の繁栄をした街。その文化に惹かれる人(私もですが)が多いのはなぜでしょう?知れば知るほど興味深いです。 百日紅(さるすべり) 一~三 杉浦日向子(1958~2005) 時代考証で江…

昭和のカルチャー

戦後、日本の文化面においてのいろいろな分野で、新たな動きが起こってきます。今までにない面白いものを求めて、様々な才能が生まれ、さらにそれに刺激されて別の才能が生まれる。化学反応のような人間関係があった時代。その中から新しい文化が生まれまし…