私などは、いつも気楽に本を読んで楽しんでいるのですが、今の時代、”本を作る側”は、いろんな意味で大変そうです。
それでも、”自分たちの本を作りたい”という熱意を持った方々のおかげで、いい本に出合えていると思います。
文房具図鑑 山本健太郎
2016年当時、12歳の小学生が作った文房具辞典。
ほぼ実物大の手描きです。この絵が力強く、”お気に入りの文具を知ってほしい”という気持ちが、ひしひしと伝わります。
筆記具は、実際それで書いた線が示され、書き心地も。彼は筆圧強めです。
健太郎君の文房具愛と、その知識、そして使い勝手を重視した独自の説明文。欲しくなる文房具がたくさん!
計画と無計画のあいだ 三島邦弘(1975~ )
自分を”向こう見ず”で”行き当たりばったり”と認める作者は、勤めていた出版社を辞め、単身、株式会社”ミシマ社”を設立。
”無法者”と言われながらも”日々を緊急体制で臨む”というベンチャーの働き方をいとわない社員と共に、”直取引営業”など、従来の出版社とは違う流通を考えます。
彼らは”原点回帰の出版社”を目指し、面白い本を作り、読者に届けようと奮闘します。
中世の写本ができるまで クリストファー・テ・ハメル
”中世写本”は、後期ローマ帝国から盛期ルネッサンスまで、およそ千数百年間、ヨーロッパで制作されました。
羊皮紙作りから、写字生による書写、彩飾、装丁。
出来上がった写本は、それ自体がすぐれた工芸品です。
制作途中の写真もあるので、当時の写本作りの様子がよくわかります。