猫との関わり方は人それぞれ。
今回の3冊を通じて、猫って風景の一部になってたんだな、と思いました。
ドクター・ヘリオットの猫物語 ジェイムズ・ヘリオット(1916~1995)
イギリス、ヨークシャー地方で、獣医として働きながら作品を書いたジェイムズ・ヘリオット。
彼の出会った猫たちを、あたたかい眼差しで描きます。
作者の人柄もあるのでしょうが、登場する猫も人も、とても魅力的。
イギリスではテレビドラマ化もされた”ヘリオット先生奮戦記”も感じのいい作品です。
猫・大通り 武田花(1951~ )
東京の下町で撮られた、ほとんどが野良猫の写真。いわゆる”かわいい猫”の写真集ではありません。
短い文章には、キャラクターの濃い人たちの暮らしが(この感じは、お母さんの百合子さんを彷彿とさせます)。
そんな人たちが住む街で、人を完全に無視するでもなく、路地に、塀の上に、自分たちの居場所を確保している猫たち。
彼らの姿が、街の風景を有機的なものにしている気がします。
自分から寄ってくるような猫ではなく、どこに行くか謎な猫について行きたいイラストレーター、浅生ハルミン。
彼女はストーカーとなって、野良猫たちを探します。そしてついには、”のみ”になりたい、とまでおしゃる。彼女の猫に対するリスペクトはハンパないのです。