芋文庫

推し本

研究者

大学などはもちろん、フリーの立場でも、様々なものを研究している方がいらっしゃいます。

その研究対象に対する気持ちや調査方法は、それぞれ独自のものがあるようです。

 

チョンキンマンションのボスは知っている

      小川さやか(1978~ )

文化人類学が専門の小川さやか。

彼女は研究のため、東アフリカ、タンザニアで現地の商人に弟子入りし、実際に古着の売買をしたりと、アクティブ。

この本は、香港のチョンキンマンションに住むタンザニア人、カラマの生活を取材したものです。

チョンキンマンションは、店舗、居住スペースのある、多国籍な空間。

カラマは"ダメ男”とされているけれど、とても魅力的。彼らの商売、人生を楽しむ様子は、友人として同じ世界で生活した者にしか描けないものです。

 

カイミジンコに聞いたこと

      花井哲郎(1954~2007)

古生物学が専門で、カイミジンコの研究者でもあった花井哲郎。

大学で教鞭をとっていた彼が、日常生活での出来事や、学校教育について、自らの研究と照らし合わせながら考察します。

その独自な考え方には、うなずけるものが多かったです。

 

幻のアフリカ納豆を追え

      高野秀行(1966~ )

以前”イスラム飲酒紀行”を紹介したノンフィクション作家の高野秀行

今度は、”納豆”を求めて韓国、さらには西アフリカへと向かいます。

私たち日本人には身近な”納豆”という食材が、思いがけない国々で、想像もしなかった形で存在している。

彼の、未知の事を模索しながら追いかける姿勢は、まさに研究者。

かなり嗜好性の強い研究ですが、本書を読むと、その本気度に影響されて、”納豆”への見方も変わってきます。