挿絵がいいな、と思った3冊。
気がついたらどれも日本のじゃありませんでした。
ぼくの伯父さん
ジャン=クロード・カリエール(1928~2021)
1958年に製作された、ジャック・タチ監督のフランス映画"ぼくの伯父さん"の小説版です。
著者はタチの弟子、ジャン=クロード・カリエール。
以前、映画を見た時はピンと来なかったのですが、"ぼく"の目を通した大人の姿を描いたこの本は、それぞれの心情もよくわかり、面白かったです。
特に、ピエール・エテックスの挿絵がおしゃれで素敵!
映画ももう一度見てみたいです。
博物誌 ジュール・ルナール(1864~1910)
フランスの小説家、ルナールが身近な生き物たちを親しみこめて表現した作品。
彼の観察眼と、ユーモアたっぷりの文章はさすがです。
何冊か訳本があるようですが、ここで紹介する2冊。
ひとつは岸田國士訳で挿絵がボナール。もうひとつは辻昶訳で挿絵がロートレック。
当時、活躍していた2人の画家の仕事をこんな形で楽しめるなんて、幸せなことです。
ロザリーのひみつ指令
イザベル・アルスノー(絵)
ティモテ・ド・フォンベル(作)
第二次世界大戦中のイギリス。出征した父の帰りを母と二人で待つ5歳の少女、ロザリーのお話。
これは"挿絵"ではなく"絵本"ですが、文章にそった絵がすばらしいです。
話はロザリーの独白で進みますが、子供向け?とは思えない展開。
その時代の空気を表現した絵に、込められた意味を考えます。