芋文庫

推し本

編集者

編集の仕事を経て自分で本を作るようになった人は、視野が広く、興味のある事には独自の視点で切り込んでいく、面白い作家が多いように思います。

 

圏外編集者  都築響一(1956~ )

出版界に入ってからも独学で仕事を続けてきたフリーの編集者、都築響一

なぜかメディアが取り上げない、"ふつうの事"を体を動かし、様々な人に会って取材します。

その辺にいくらでもあって、誰も見向きもしないもの、でも見向いてみれば興味深いもの(具体的には是非本書をお読みください)。

それらは、今の日本の現実を考えさせます。

 

父の時代 私の時代  堀内誠一(1932~1987)

私には"anan"創刊時のアートディレクターの印象が強い堀内誠一

この本は、彼が仕事歴として書いたもの。

昭和の初め、図案家の父の仕事を見て育ち、生活のため14歳から働きます。

その後、出版関係の仕事に携わりながら、絵本の仕事も始めます。

戦前の父親の仕事現場の様子など、当時こんな世界があったのかと印象深かったです。

彼の仕事を通じて、戦後の出版界が上り坂であった頃の勢いが感じられます。

 

セゾン文化は何を夢見た  永江朗(1958~ )

 

80年代、西武美術館のミュージアムショップで働いていた永江朗

社長、堤清二西武百貨店が企業として美術、音楽、出版などの分野に及ぼした影響(セゾン系文化)とは何だったのか?

当時、堤のもとで働いていた人たち、そして堤本人への取材を通じて考えて行きます。

私はリアルタイムで東京のセゾン文化を体験出来なかったので、残念ですが、その空気を吸って育った人たちが、その後の文化の作り手となっています。