戦後、日本の文化面においてのいろいろな分野で、新たな動きが起こってきます。今までにない面白いものを求めて、様々な才能が生まれ、さらにそれに刺激されて別の才能が生まれる。化学反応のような人間関係があった時代。その中から新しい文化が生まれました。
私のイラストレーション史 南伸坊(1947~ )
イラストレーター南伸坊が、子供の頃興味を持ったものから、美学校で講師として出会った赤瀬川原平、木村恒久、さらに編集者として勤めた”ガロ”での数々の出会いを、回想します。”人は自分を楽しませてくれた、おもしろがらせてくれたものに感謝する。そしてそれを作り出した作者を尊敬するのだ。”そうして関わった人たちのとの奇跡のような幸せな関係。
調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝 近田春夫(1951~ )
近田春夫。ごめんなさい、名前は聞いたことあるけど、何してる人かよく知りませんでした。この本はタイトルと表紙に惹かれて読んだのですが、面白かった。
編集者、下井草秀が近田春夫にしたインタビューをまとめたもので、話し言葉のためか、スラスラ読めます。
近田春夫はミュージシャン。東京出身の、以外にもおぼっちゃまな人。CM作曲家、タレントとして稼ぎながらも、好きな音楽を模索していく、職人気質の一面も。
ふざけたことが好きなんだけど、もったいぶったところがなく、真摯な態度で自分の考えを伝えようとする、こんな人が芸能界にいたなんて。
これは、近田春夫を通して見た、ひとつの戦後日本音楽業界史です。
チョコボールのCM”クェックェックエ、チョコボォ~ル”の曲が気になる人は、是非読んでみて下さい。
天才の思考 鈴木敏夫(1948~ )
スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫が、高畑勲、宮崎駿という二人の天才との出会いから、ジブリ20作品の制作秘話を一作ごとに語ります。
その時々の日本映画界の実情も絡ませながらの裏話は、アニメの仕事に関わる人たちの情熱でいっぱいです。
この本を読んでいると、どの作品も、もう一度見てみたくなります。