世の中には様々な仕事があります。
個人の才覚はもちろんですが、その時代によっても大きく影響をうける仕事。
労働であると同時に、その人の生き方でもあると思います。
銀座界隈ドキドキの日々 和田誠(1936~2019)
イラストレーターの和田誠が大学卒業後就職したデザイン会社、ライト・パブリシティーでの思い出を語ります。
1959年からのほぼ10年、銀座にあったこの会社でデザイナーとして仕事をしながらも、趣味の映画、ジャズ、作曲などにも活躍の場を広げた多忙な日々。
日本のデザインは、専門家まかせの、のんびりしたものでしたが、"広告"が儲かる仕事になり、企業からの圧力が強くなり、競争も激しくなります。
そんな中でも、驚くほどの才能ある人たちとの交友が広がっていきます。
「ガロ」編集長 長井勝一(1921~1996)
伝説の漫画雑誌"ガロ"は、多くの個性的な漫画家を輩出しました。
出版社の創業者で、編集長でもあった長井勝一。
"ガロ"は、新人には場を提供し育ってくれることを考え、ベテランには他では描けないことを描ける場であろうとしました。
その文章からも、人を大切に考える彼の人柄が感じられます。
ぼくは猟師になった 千松信也(1974~ )
狩猟は"自分の食べる肉は自分で責任をもって調理する"という生活の一部のごく自然な営み、だと言う著者。
京都の運送会社で働きながら狩猟をする現代の猟師。
この本は2008年に出ましたが、15年が経ち、獣害の増加がさらに社会問題となっている今、人間と野生動物との関係は、私たちにも身近な問題になりつつあります。