興味をもって、対象を時間をかけて観察することで、いろいろな事が見えてきます。
クモの網 船曳和代(1943~ )新海明(1952~ )
”クモの巣”は、クモの住まいではなく餌をとるためのものなので、正しくは”クモの網”。
この透明なクモの糸に白いラッカーを吹き付けて、くっきりと浮かび上がらせた船曳さん。種類によって、餌の取り方もいろいろですが、すばらしい”作品”ばかりです。
馬語手帖 河田桟
与那国島で馬と暮らす著者による馬語の本。
馬語は人間の言葉とは違い、耳や尻尾、体の向きや動作で表されます。
それらを観察することで、その時の馬の気持ちがわかるようになる。馬のイラストもカワイイ一冊です。
2002年に39歳で急逝した”消しゴム版画家”ナンシー関。テレビに対して”顔面至上主義”を謳い、見えるものしか見ない、しかし、目を皿のようにして見る、そして見破る、と語った彼女。その仕事は、観察の極みです。
主戦場だった80年代後半から90年代のテレビ評論。鋭い批評眼から生まれた名言のいくつかは、今では現実となって、”予言”になりました。