残念ながらほとんど読んでいません。でも、それぞれの作品が書かれた時代の人々の心情や暮らしが描かれていると思えば、興味がわいてきます。
愛するよりも愛されたい 佐々木良(1984~ )
1300年前に編纂された万葉集の恋歌を、当時の首都だった奈良の言葉で現代風にアレンジした本作。
意味を重視したという、今どきの現代語訳のおかげで、奈良時代の人びとの恋愛がストレートに迫ってきます。
かなり極端な愛情表現もあって、この時代は恋愛体質の人が多かったのでしょうか?
今昔ものがたり 杉浦明平(1913~2001)
この本は作家、杉浦明平が平安時代末期に成立した説話集"今昔物語集"から39篇を抜粋し、児童向けに現代語訳したもの。
武士の台頭が始まる時代。
不思議なお話もありますが、いろいろな職業や地位の人々の当時の暮らしが描かれます。
平安時代の人々はかなりおおらかだったようです。
西鶴に学ぶ 中嶋隆(1952~ )
江戸時代元禄期に大阪で浮世草子作者として活躍した井原西鶴(1688~1704)。
"好色物"が有名ですが、この本は"町人物"とされる、経済をテーマとした"日本永代蔵"や”世間胸算用"から著者が選んだ原文を現代文と並記し、さらに解説をつけたもの。
富と貧困をめぐり、当時の人々の様子が、生き生きと描かれています。
原文の方が西鶴の実感がこもっているように思います。"お金"に関する話は、今に通じるものがあります。